大阪から文楽がやってきた。
9日と10日、札幌教育文化会館夜の部は、
「二人三番叟」
「御所桜堀川夜討」~弁慶上使の段
「傾城恋飛脚」~新口村の段
新口村が入っているので、夜の部は相当期待していた。
二人三番叟は、歌舞伎の華やかさ同様に、文楽でやっても華々しい。
人形もなかなか愛嬌がある。
~弁慶上使の段~
子殺しの話であれば、寺子屋などがあるが、身代わりが自ら「にこっと首差し出した」と聞いて、「でかした」と子を讃えるようなシチュエーションとは違って、こちらは、身代わりをバッサリ。
実の子とわかってすぐにバッサリなのだから、これはいくらなんでも非情だ。
続く、新口村が、それと対比して余計に親の心情が身にしみる。
下駄の鼻緒が切れた孫右衛門に梅川が駆け寄っていくあたりから、ぐぐっとくる。
なによりも、雪の降る舞台が美しい。
「おおざかを立ち退いても、私が姿、目にたてば・・・」と、この辺は若気の至りで人前(しかも宴会)でうなったことがある。好きなものは、節回しまで覚えているとしても・・・人前でやるのは顰蹙ものだろう。
スナックで能を舞った同僚もいた(笑)
「二十日あまりに四十両、使い果たして二歩残る」の「二歩(にぶ)」で、逆さまながらと孫右衛門からもらった金の重みが、ひしひしと伝わる・・ここで涙がピーク。
観るたびに新たな発見がある。
何度観ても、泣ける。
明日は、昼の部に。
「一谷嫩軍記」は、吉田蓑助だし・・。