ショットミュージック(千代田区飯田橋)が出している細川氏の作品リスト。
先日、芸術の森で入手。
楽器の構成等の基本データが掲載されていて、細川作品鑑賞の際には貴重な資料。
さて、15日のパシフィックサウンディングは、
「細川俊夫の世界Ⅱ」と題されている。
前半のコンポジョンコースの作品に続き、後半、2006年の「細川俊夫の世界」に連続する2つの小協奏曲等が演奏された。
まず、マヌエル・ズリアさんのバス・フルートで、
「息の歌、バス・フルートのために」が演奏された。
先のリストによると1997年初演、演奏時間約8分。
目を閉じて聴くと、尺八の音に聞こえる。
横山勝也の演奏を聴いているようでもある。
確かに日本人の美意識は、西洋のものとは明らかに違う。
ローマ在住のズリアさんの演奏、海外の人々はどう感じるのだろうか?
「旅Ⅶ、トランペットとアンサンブルのために」は、約16分。
4.3.3.2.1.のStrings、Percussion 2players。
オーケストラメンバーも細川作品の奏法をすっかり手中に収めたようだ。
2006年の演奏時は難しそうに弾いているな・・と感じたものだが、今回の演奏は自信さえ感じられる。
Trumpetのソロは、PMFオーケストラのKarin Bliznikさん。
ミュートや奏法によってTrumpetの音色も多様に変化し、輝かしく力強いフレーズも現れるが、最後は息の音。
細川作品は、終わり方が本当に美しい。
「旅Ⅴ、フルートとアンサンブルのために」は、18分。
Strings 1.1.1.1.1. 木管、金管、2perc、Harp、Piano。
マヌエル・ズリアさんがpiccolo,concert flute,alto flute,bass fluteの4本を持ち替えての演奏。
昼の市役所での解説で、特殊な奏法をするフルートの聴きどころのポイントがいくつか披露されたが、夜は通して鑑賞。
昼のアラカルトコンサートの模様は、「さっぽろてくてく」のまちなかジャーナルに詳しくレポートされている。
http://www.sapporoteku2.net/journal/03repo/pmf.html
ピッコロの音は能管のように響き、バス・フルートは尺八のよう。
この曲でも、息が重要な響きとなる。
最後は他の管楽器も息の音。
静かに終わる。
細川作品をいくつか聴いていると、独特のスタイルを確立していることがわかる。
今後も、演奏の機会があれば是非聴いてみたい。