13日、PMFウィーンのトークコンサート
会場は、札幌芸術の森アートホール・アリーナ
一部は10:30~ 二部は12:45~
さて、一部は、
「モーツァルトとその時代の音楽」と題して、シュミードルさんの軽妙な語りで進行。
改めてシュミードルさんの偉大さを感じさせるコンサートだった。
例年より開演前から並ぶ人も多かった。
これが一番の楽しみという人もいるだろう。
なにしろ間近で一流の演奏を堪能できる機会は貴重。
今年は大通公園のコンサートがなかったので、存分に楽しんでいってほしいというお話から始まる。
●モーツァルト フルートのためのアンダンテ ハ長調 K.315
シュミードルさんは、「天使の音楽」と表現したが、まさにシュルツさんのフルートは、天使が舞い降りたかのよう。
ピアノはプリンツさん。
●モーツァルト オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K.370から第1楽章
PMF初登場の若いオーボエ奏者ホルトさんと、ザイフェルトさんのヴァイオリン、コルさんのヴィオラ、イーベラーさんのチェロ。
コルさんは、クラリネットから転向したそうだが、テクニック・音色ともに人を唸らせるものがある。
●モーツァルト クラリネット五重奏曲 K.581から第1楽章、第2楽章
ここで、プログラムに名前がないキュッヒルさんがスペシャルで登場。
シュミードルさんが朝、弾いてくれるよう特別にお願いしたそうだ。
第1楽章の予定が、さらにもう一楽章サービスで演奏される。
シュミードルさん、ザイフェルトさん、コルさん、イーベラーさんの弦楽にシュミードルさんのクラリネット。
最高の一時!!
何度聴いても、本当に素晴らしい。会場を感動で包む。
ブラボーの声、スタンディングでの拍手も多数。
●モーツァルト ホルン協奏曲 第3番 変ホ長調 K.447から第1楽章
PMF二度目というストランスキーさんの経験談は会場をなごやかな雰囲気に。
ピアノ伴奏による演奏で、名手の技を披露していただいた。
●ダニエル・シュペール トロンボーン四重奏のためのソナタ ニ短調
●ワーグナー 歌劇「タンホイザー」から巡礼の合唱
●オーストリア民謡 アルプスの狩人、故郷
ヤイトラーさんのトロンボーンにPMFオーケストラから4人のトロンボーンとチューバが一人加わっての演奏。
トロンボーンのハーモニーがこれほど美しいものだと認識を新たにできたことは、最高の喜び。
会場からも、ため息が・・。
●ドラシェツキー オーボエと8つのティンパニのための協奏曲から
PMFオーケストラからヴァイオリンが一人加わり、ピアノと弦楽四重奏がオーケストラのパートを奏でる中、オーボエとティンパニのコンチェルトが最後に演奏された。
モーツァルトと同時代のドラシェツキーという作曲家の曲。
美しいメロディーとティンパニの響きがマッチし、会場内を幸せな雰囲気で包んでくれた。
一部は、かなり高レベルの演奏会だったが、
さらに12時45分から第2部
「モーツァルトと19世紀の偉大な作曲家たち」
と題して、引き続きシュミードルさんの話術が会場をわかせた。
●モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 K.454
キュッヒルさん、日本語で挨拶(奥さんは日本人)。
変ロ長調のソナタをまるまる演奏。
ヴァイオリンの響きを堪能。
この一曲だけでも、一つのコンサートが成り立つ。
●モーツァルト ファゴット協奏曲 変ロ長調 K.191から第1楽章
ミュラーさんのファゴット。
モーツァルトが18歳のときの作品だそうだが、曲の素晴らしさとファゴットの音色・テクニックに、ため息がもれるほど。
●ロッシーニ チェロとコントラバスのための二重奏曲 ニ長調
イーベラーさんのチェロとポッシュさんのコントラバス。
イーベラーさんが16歳、ポッシュさんが15歳の時に2人でこの曲を演奏して以来、34年間このコンビで何度もやっているとのこと。
絶妙な掛け合いと親しみやすい曲調で、聴衆を釘付けにする。
シュミードルさん自身、あまりの素晴らしさに曲が終わりきらないうちに拍手のフライング。
●モーツァルト ファゴットとチェロのためのソナタ 変ロ長調 K.292
プリンツさんのピアノに、ミュラーさんのファゴット、イーベラーさんのチェロで、モーツァルトの魅力をさらにふりまく・・・
●ネルダ トランペット協奏曲 変ホ長調
小型のホルンのような形のトランペットをペーター・シューさんが演奏。
PMFからもパルマーさんが入り、弦楽による伴奏。
アリーナじゅうの隅々までトランペットの音色が響きわたり、こだまのように返ってくるのが素晴らしい。
amazing!!
言葉にできないくらい素敵。
とにかく絶品。
●モーツァルト ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 K.478から第1楽章
やはり最後はモーツァルトで締めましょうということで、ザイフェルトさん、コルさん、イーベラーさん、プリンツさんによる演奏。
締めにふさわしく贅沢な演奏だった。
ということで、一部、二部ともに、
この世で望まれる最高の演奏を披露していただいたウィーンの方々に改めて脱帽。
これほどの贅沢な時間はないだろう。