新国立劇場の2005年「マクベス」初日。
マクベス役のカルロス・アルヴァレス氏が風邪による咽頭炎のためキャスト変更。
泉良平 氏がマクベス役。
歌手目当ての方は、「残念!」。
芸術監督トーマス・ノヴォラツスキー氏が開演に先立ち弁明。
新たな歌手で公演できることは幸運である・・・と。
演出は野田秀樹氏。
ヴェルディの作品としては10作目だが、若い頃の作品。
お話は、よく知られたシェークスピアのもの。
前半では、筋を思い出すのに苦労した。「マクベス」はどんな話だっけ・・・と。
後半には、名場面や名セリフが登場する。
「マクベス夫人、狂乱の場」、ここは見事。
「バーナムの森が動かない限り負けない」
「女の腹から生まれた者には負けない」
と、物語の象徴的なセリフが登場するところで、「ああ、シェークスピア劇なのだなぁ」
と改めて感じる。
劇に音楽をつけると、別の物になるところは多々ある。
これは、あくまでもヴェルディ版の「マクベス」なのだ。
伴奏は、東京交響楽団。
緊張感に富んだ演奏は、なかなかよかった。
一人の歌手がどうというより、歌手、合唱、指揮、オーケストラが渾然一体となって、
総合舞台を作り上げているという印象を受けた。