講談社現代新書・教養としての<まんが・アニメ>
ライターは、1958年生まれの「おおつか・えいじ」1961年生まれの「ささきばら・ごう」
「教養としての」と断っているのは、若い世代に読むべきものを伝えたいとの思い。
5年ほど前にドイツの訪問団がやってきて、「日本のマンガについて学びたい」という要望があったことから、1時間ほどレクチャーした。海外では、まんが・アニメを「文化」として学びたいという気運がある。
ちょうどその頃、大分の別府湾会議で、リチャード・ワインバーグ氏(南カリフォルニア大学コンピュータ・アニメーションラボ)のお話を座布団にすわって聞いたので、それもネタにした。
日本に関するエンターテイメントの話題を5Pで表現すると
Pokemon(ポケモン)、
PlayStation2(プレステ2)、
Princess Mononoke(もののけ姫)、
Pasocon(パソコン)、
Pacinko(パチンコ) だそうだ。(99年時点で)
さて、この本、
「吾妻ひでお」について、1章割り当てられている。<おたく>なるものの起源と書いてある。うっかり「吾妻ひでおが好きだ」などと言えないような気がしてきた。実は、「不条理日記」とか、後世に語り継がれるべき作品は持っていたりする。吾妻ひでおは、北海道浦幌町の出身なので、浦幌町出身の人に「吾妻ひでおは浦幌出身なんですよね」などと言って、「きょとん」とした顔をされたことがある。「誰ですか?」なんて聞き返されて、「まずい話題だったかな」と内心反省したりした。でも、浦幌町の人に会うと、また聞いてしまいそうだ。
まんがの中に「デレッキ」が登場したりする。石炭ストーブを扱う時の鉄の棒。かなり地方色の強い道具で、北海道出身じゃなきゃ、わからないネタ。
梶原一騎、萩尾望都など、本の方は、しっかりと「あの頃」をプレイバックしてくれている。