蝦夷音楽祭が2月5日から時計台ホールで、8日まで4日間開催中。
初日に行ってきました。
http://www.foresight-tec.com/ezo/
時計台は、かつて豊平館があった市民ホールの斜め向かいにあります。
南西の向かいは道新で、ここには道新ホールもあります。
昔から文化の中心地だったんですねぇ。
「黒澤明と早坂文雄」(西村雄一郎:著)は、815ページに及ぶので、読み終えるのに数日かかっています。
ちょうど蝦夷音楽祭が始まる前、時計台ホールの客席で読み進めていたところ。
タイミングよく1930年代の時計台ホールでのエピソードがありました。
ワインガルトナー賞
早坂は当別小学校の教員となってからは、週に二回ほど、札幌新交響楽団の練習に参加するために、札幌に通っていた。 その「虎杖丸」が、いよいよ演奏される。公開日は1938年8月20日だった。 演奏時間が30分と長く、聴衆に飽きられるのではないかと懸念され、一時はスタジオからの生中継という案も出されたが、結局、札幌時計台が会場となった。
「作曲:早坂文雄、指揮:鈴木清太郎、管弦楽:札幌新交響楽団、合唱:札幌混声合唱団」
アナウンサーが淡々と読み上げていく。JOIK発足十周年記念の特別番組として、全国に放送されたのだ。 札幌放送局始まって以来ともいえる大規模な作品の評価は上々だった。そして、それからまだ時間がたっていないのに、早坂のもとに生涯のエポックメーキングとなるような喜びのニュースがもたらされた。
9月2日、ウィーン外務省から来電。ワインガルトナー賞の一等賞に、早坂の作品「古代の舞曲」が選ばれたのである。
「黒澤明と早坂文雄」(西村雄一郎:著)p.286
「虎杖丸」が認められたことにより、早坂は後に東宝の仕事を得ることになります。
合唱を伴う大曲ですが、ここから全国に放送されたのです。
初日の蝦夷音楽祭は、ギター弾き語り、ピアノとギター、フィンランドの楽器カンテレなどが演奏されました。オリジナル曲中心で、北海道のアーティストが次々と登場する蝦夷音楽祭。
この場所で行われるというのも、いいですねぇ。