●映像と音楽でつづるバーンスタイン
札幌コンサートホール Kitara小ホール 7・18 19:00~
PMF第1回目、
バーンスタインがアカデミー生の前に登場、
シューマンの交響曲のリハーサルシーン、
画面いっぱいに広がるバーンスタインの表情と、その言葉。
18年前の映像から始まった。
先日のビハインド・ザ・シーンでもPMFのエピソードを語っていた
PMF組織委員会の川本伸治さんがナビゲーター。
第1回目のPMFオーケストラにファゴット奏者として参加。
現在、芸術企画部長という肩書き、PMFのオーケストラマネージャーを務める。
シュミードルさんがPMF発足当時の話題を提供。
1回目に声がかかったときにはスケジュールの調整がつかず、2回目に参加したときにはすでにバーンスタインはこの世の人ではなかった。
バーンスタインの意思を継いでずっとPMFの仕事をしているというお話。
続いて20年前の映像で、
「プレリュード、フーガとリフ」が流される。
ムジークフェラインザールで指揮をするバーンスタイン。
この曲の構造がよくわかった。
トランペットとトロンボーンで演奏されるのがプレリュード、
サックス群が奏でるのがフーガ、リフに入るとシュミードルさんのクラリネットが加わる。
シュミードルさんの20年前の演奏シーン。
バーンスタインもエネルギッシュな指揮ぶり。
演奏が終わると、ウィーンの人々が大喝采。
貴重な映像だった。
これを観ると、シュミードルさんとレニーの関係がよ~くわかる。
さらに、ウィーンの住まいに訪れたときのエピソードや、郊外の彼の家にも遊びに来たことや、様々な曲を演奏した思い出が語られた。
当然、音楽の仕事はすばらしく、特にマーラーは彼を超える指揮者にはめぐり合っていないとのこと。
私もバーンスタインが指揮するウィーンフィルのマーラーのレーザーディスクを何枚か持っているが、観るたびに涙する。
最初の演奏は、シュミードルさんのクラリネット、沢木さんのピアノで、バーンスタインの
クラリネット・ソナタ、何度もバーンスタインと一緒に演奏したそうだ。
休憩をはさんで、演奏は、バーンスタイン編・コープランドの「
エル・サロン・メヒコ」を沢木さんのピアノで。
金管のための5つの小品をPMFベルリンのホルン(イェジエルスキさん)、トランペット(ヴァレンツァイさん)、トロンボーン(シュルツさん)に札響の玉木さんのチューバが加わっての演奏。
途中にまたバーンスタインのリハーサル映像を挟み、
沢木さんのピアノによる「
タッチズ」。
これは現代的な響きがする曲だった。
最後は、再びPMFオケをトレーニングするレニーの映像。
バーンスタイン生誕90年という企画だったが、PMFの歴史もたどる素敵な企画だった。
聴衆は、改めて、この音楽祭の意義を確認できたと思う。