オーソン・ウェルズが1941年に新聞王ハーストをモデルに監督、主演した映画。
「市民ケーン」
書店でDVDが500円だったので、ついつい買ってしまう。
この頃の映画は、著作権の関係でこれくらいの値で売り出されるようになった。
「名作」と言われている。
私の場合、「映像学・序説」(岡田晋【著】九州大学出版会4,935円)に、出ていたので、
気になっていた映画。
実は、私はこの3月まで大学院生だった。(年齢とのギャップありますが)
「映像文化論特講」のテキストが、上記の「映像学・序説」。
で、昨年の映像文化論のレポートを書く際に、映画の技法の中で、市民ケーンについても触れた。
アンドレ・バザン(フランスの批評家)が書いた「市民ケーンの技法」という論文には、映像の構造に関することが書いてある。
物語の語り口や撮影技法、モンタージュなど、今でも新鮮な感覚を覚える。
この作品が後世の映画作家に与えた影響は大きく、「歴史的な作品」として捉えることができる。
そういう意味で言うと、1925年の「戦艦ポチョムキン」(セルゲイ=エイゼンシュタイン)、1928年の「アンダルシアの犬」(ルイス・ブニュエル)などと同様に「歴史的」な作品としての意味付けがある。
ちなみに、戦艦ポチョムキンとか、アンダルシアの犬は、今見ても、凄い。
私は20数年前に初めて見たが、かなりの衝撃を受けた。
無声映画のおどろおどろしさにも圧倒される。
「市民ケーン」の場合は、ちゃんとした映画(音声入り、種々の技巧を駆使)なので、衝撃を受けるというより、「教養」としての映画かもしれない。
面白いのか?と問われれば、映画の歴史などを知るうえで、
「色々なところに注目すると面白い」
が、娯楽として映画を楽しみたい場合には、面白くないという人もいるだろう。
見る人次第の映画。