サマー・ナイト
A Midsummer Night's Sex Comedy(1982)
マンハッタン(79)、スターダスト・メモリー(80)、サマー・ナイト(82)、カメレオンマン(83)、
ブロードウェイのダニー・ローズ(84)、カイロの紫のバラ(85)年という流れの中で、
充実した時期に向かっていた時代の作品。
アレンとミア・ファローが初めてコンビとして出演した作品でもある。
ミア・ファローが魅力的に撮られている。他の映画と比べると初々しい気もする。
音楽はメンデルスゾーン。
言わずと知れた「真夏の夜の夢」も書いている。
シェイクスピアの「真夏の夜の夢」
原題:A Midsummer Night's Dream
と、 A Midsummer Night's Sex Comedy のタイトルもパクリで、
2組の男女が登場するという設定や森での逢引など、シェイクスピアの作品をパロディ化している。
アレン演じるアンドリューの妻エイドリアン役のメアリー・スティーンバージェンは、
バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3 (1990)のドクの恋人クララの印象が強い。
他の作品にも色々出ているみたいだが、アレン作品はこれだけ。
アレン流のスパイスが効いている作品だが、興行的には失敗だった模様。
ファンタジーあり、Sexネタあり、男女のすれ違いありで、確かに悪くないと思うのだが・・・。
映画の終わりにマジック・リアリズムのメッセージがあることも特に気づかれない。すなわちアレン演じるヘボな発明家は、ある発明品を使って目に見えない世界と登場人物たちが交流できるようにする。またこの映画は、アレンの作品としては最も興行的に失敗した作品の一つとなったが、今にして思えばそう悪くない陽気な作品である。
ウディ・アレン 映画の中の人生
リチャード・シッケル著 都築はじめ訳 p.47