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「蟹工船」    
2008年5月頃、各紙で「蟹工船」が増刷されている記事が載っており、一種のブームになっていた。

ブームといっても、ここのブログのネタとしては、異質な感じがしていたのでその話題は封印していたが、点と点がつながり、いよいよ「蟹工船」について触れなければならない時期がきた。

b0001316_9453847.jpg蟹工船」は1953に山村聡(ヤマムラソウ)監督により映画化されている。音楽は伊福部昭
DVDも発売されている。
オホーツクの海を音楽で表するには、伊福部昭の曲がぴったりだ。
映画につけられた曲は、まさに伊福部節なのだが、重々しい空気感は音楽によってより一層迫ってくる。

伊福部が北海道出身ということも音楽担当としては適任だろう。

伊福部が早坂文雄らと、様々な新しい音楽に触れた札幌の名曲喫茶「ネボォ」には、小林多喜二の色紙がはってあった。

「蟹工船」の音楽を演奏しているのは東京交響楽団
第二バイオリンには、小林三吾がいた。
小林三吾は、小林多喜二の弟である。
 『蟹工船』の音楽録音ではこんなことがあった。この作品の音楽演奏は東京交響楽団が受け持ち、指揮は伊福部自身が行った。その際、セカンド・ヴァイオリンの小林三吾という奏者が伊福部のもとに来て、こう名乗った。「私、多喜二の弟です」。伊福部は愕然とした。小林はさらにこうつけ加えた。「伊福部さんのことはよく知っていますが、名乗ったらいいか悪いか、迷って控えていたんです」。小林多喜二の実弟・三吾は東京交響楽団のヴァイオリニストだったのである。
 ネヴォで接点があり、『蟹工船』をむさぼり読んだ身である自分がこの映画に音楽をつける、さらにはヴァイオリン奏者に小林多喜二の弟にあたる人物がいて、兄の代表作といわれる『蟹工船』の音楽を自ら演奏する・・・・。そのあまりに奇遇ともいえる偶然に、いい知れぬ衝撃を受けた。
 「小林多喜二さんの弟さんが、『蟹工船』の音楽を演奏したわけです。私としては棒を振っていて、えらくショックでした。多喜二さんの作品を私がやるというのもそうですが、弟さんが曲を演奏する、大変緊張しました」
「伊福部昭の映画音楽」小林淳・著、井上誠・共著(1998) p.79
三吾とバイオリンの関係は、1992年の三浦綾子の小説「母」に詳しく書いてある。
この小説は、小林多喜二の母、セキの語りで進む。

バイオリンを最初に手にしたときに、なんとか曲が弾けた三吾には、バイオリンの才能があると小林家の人々は思っていたが、父にはバイオリンを買うような金はなかった。

小林多喜二が勤めた北海道拓殖銀行の初給料で、多喜二はバイオリンの中古を買ってきた。
小林家のこのうえない喜びは、小説「母」に表現されている。
さらに三吾のためにバイオリンの先生を探したのも多喜二である。

小樽の狭い小林家では、多喜二が小説を書く横で、三吾はバイオリンを練習していた。
三吾のバイオリンの腕は、多喜二があってのものだろう。

多喜二は帰って来て、
「母さん、凄い大成功だった。もの凄い拍手だった。みんな三吾のこと、齢(とし)が若いのに、こりゃあ大天才だってほめてくれた。母さん、三吾には素質がある。そのうち三吾も、東京でバイオリンの勉強させねばな」
って、あの子は全くきょうだい思いだった。あとで、三吾は東京に出て、かなり立派なバイオリン弾きになったけど、多喜二がいなければ、バイオリンを買ってももらえん、習わしてももらえんで終わったかもしれないね。
三浦綾子「母」 第四章 出会い より 角川文庫 p.130
小林多喜二の運命と、三吾は当然のことながら家族として深く関わり、彼の一部始終を見ている。東京でその生涯を閉じた時も・・・
三吾が東京に出て来たのは、監獄に入った多喜二に、差し入れやら面会するためだった。
(「母」 第5章 尾行より 角川文庫 p.168)

死んで多喜二が帰った次の日が通夜でね。通夜には、わだしと三吾のほかには、三人の、たった五人だけだった。女も男も、みんな留置場に入れられてしまったから。とにかく、弔問者はみんな引っ張られたわけなの。
(「母」 第6章 多喜二の死より 角川文庫 p.182)
「蟹工船」の音楽を小林三吾が演奏したというのも因縁である。

「蟹工船」は、最近、劇場でもとりあげられている。
2月6日まで新宿武蔵野館で「特集:シネマで文学」の一作品として、上映中。

結末は、原作とは随分違う。
労働運動に気兼ねしたものなのか・・・

新潮と角川から出版されている原作の「蟹工船」。
捉え方は、人により様々であり、映画もその一表現だが・・・。
残念ながら、映画のラストは、今、現代に求められているものとは違う気がする。
映画の結末は労働者の悲劇を軍国主義批判に結びつけたような終わり方だが、「蟹工船」は希望の物語でもある。

「蟹工船」ブームのきっかけを作った千葉県我孫子市の白樺文学館が2007年9月に無料公開した「マンガ蟹工船」。東銀座出版社から発行されている。
http://www.takiji-library.jp/announce/2007/20070927.html
母セキがストーリーの前後に登場する。

「そして彼らは立ち上がった -もう一度!」という絵は力強い。

イーストプレスから出ている
「蟹工船 (まんがで読破)」
も原作に忠実。

ラストのシーンから連想するのは、「不屈の民」。
「不屈の民」はチリの民衆運動の曲。
ジェフスキーが、ピアノ作品集「不屈の民変奏曲」にした。
高橋悠治のこの曲のピアノ演奏は衝撃的だった。
「蟹工船」のラストには、ジョン・レノンの「Power to the people」が流れてもよいと思う。

映画の終わり方は個人的にしっくりしないが、オホーツク海の厳しさや、蟹漁の現場風景などを映像化したこの作品は素晴らしい。
伊福部の音楽もあいまって、「蟹工船」の世界を映像で伝える貴重な作品である。
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by yoyogi39 | 2009-02-03 06:18 | つれづれによもやま
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