恋人と別れる50の方法・・なんていうポール・サイモンの曲も、
よくカラオケでは歌いますが・・
ウディ・アレンの浮気を終わらせる3つの方法
井上一馬:訳、白水社(2005)
「リヴァーサイド・ドライブ」
「オールド・セイブリック」
「セントラル・パーク・ウェスト」
の3つで構成される。
いずれも、ウディ・アレンの映画によく出てくるシチュエーション。
中心的な題材は「浮気」。
「
リヴァーサイド・ドライブ」では、
作家の主人公ジムがハドソン川で浮気相手を待っているところへ、
ホームレスのフレッドが近寄ってきて、自分はジムの作品を共に作ってきたと言う。
会話がスピーディーで、ジョークが効いている。
実際の芝居で観ると、相当に笑えそうだ。宇宙人ネタまで出る。
「
オールド・セイブリック」では、コネチカットのカントリーハウスが舞台。
ホームパーティーに集まる人々の会話が面白い。
隠し金庫から出てきた日記で、あれこれと悶着が起こる。
なんと、登場人物は、書いていた芝居から出てきたキャラクターだ・・
こういう展開が絶妙で、いかにもウディ・アレンらしい。
「
セントラル・パーク・ウェスト」では、
セントラルパーク西側にある精神科医フィリスと夫サムの家での展開。
誰と誰が浮気して、どうしたこうしたというドタバタの展開だが、
これでもかぁ~というくらい押しまくるところは、小気味よい。
フィリスのもとへ夫の浮気相手キャロルがやってきて、後にその旦那ハワードも現われる。
フィリスが治療していた若い女性も現われて・・・
三つとも中年夫婦の倦怠と夫婦の危機に面したときの登場人物の会話の中に、
アレンらしいウィットとユーモアが描かれる。
読みながらアレンの映画の様々なシーンを連想して、面白く一気に読めた。
ウディ・アレンのエッセンスが詰まっている。